映画『害虫』感想や考察~何が彼女を害虫にしたのか~

こんにちわ、すずらんです。
今日もブログをご覧いただきありがとうございます 🙂

今日は映画『害虫』の感想、考察です。

誰が害虫なのか、何が害虫化させたのか。追い求めるほど沼にはまる。

映画『害虫』

映画『害虫』の予告編はコチラ♪

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映画『害虫』あらすじ

母親が自殺未遂するなど、不安定な環境に生きる不登校の中学生・サチ子。彼女は、ひょんなことから知り合った当たり屋の青年・タカオや彼の相棒である精神薄弱のキュウゾウらと町をぶらつく日々を送るが、やがてタカオは何かのトラブルに巻き込まれ彼女の前から姿を消す。こうして仕方なく学校へ戻ったサチ子だったが、文化祭で披露する合唱のピアノ伴奏をやらされたり、唯一の友人である夏子が想いを寄せる花坂にコクられたり、母親の恋人・徳川にレイプされかけたりと過酷な試練に次々と見舞われる始末。そして、ほんの悪戯のつもりが夏子の家に放火してしまったサチ子は、想いを寄せる小学校時代の担任教師で、今は原子力発電所で働く緒方の元へ逃げ出す。だが、待ち合わせの喫茶店に緒方はなかなか現れず、「いい仕事を紹介する」と声をかけて来た若い男と店を後にした彼女は、入れ違いに駐車場に入って来た緒方に気づきながらも、そのまま彼の車に揺られて行くのだった。

(Movie Walkerより引用)

映画『害虫』基本情報・キャスト・スタッフ

ジャンル:ドラマ
製作国:日本
監督:塩田明彦
脚本:清野弥生
音楽:北原京子
主題歌: NUMBER GIRL
公開:2002年
上映時間:92分


映画『害虫』出演者

北サチ子:宮崎あおい
緒方智:田辺誠一
タカオ:沢木哲
徳川:天宮良
キュウゾウ:石川浩司(たま)
山岡夏子:蒼井優
コーヒーショップの見知らぬ男:伊勢谷友介
北稔子:りょう
寺島進、石丸謙二郎、光石研、大森南朋、木下ほうか
etc

受賞
第58回ヴェネツィア国際映画祭正式出品作品

第12回日本映画プロフェッショナル大賞
作品賞、受賞
監督賞、受賞

2001年ナント三大陸映画祭コンペティション部門
主演女優賞:宮崎あおい、受賞
審査員特別賞、受賞

映画『害虫』の感想・考察

あまりにも深く、見れば見るほどに、心の沼にはまってしまいそうな作品。
大好きな映画なんです。でも・・・うーん・・・どう考察したらいいのだろう・・・。
1つ確かなことは、害虫化してしまった女の子の映画であるということです。

害虫とは誰か?何か?

この『害虫』という恐ろしいタイトル。
塩田明彦監督は「サチ子こそが害虫である」と言っています。「まるで害虫のようなサチ子」という意味でしょうか。
宮崎あおい演じるサチ子が、彼女に寄ってくる人々を沼へと引きずりおろし、次々と害していく映画です。

害虫のサチ子をまざまざと私達に見せつけながら、「何故彼女は害虫化しなければならなかったのか」その悲しさや残酷さを、まるで心臓に釘を差し込むように淡々と描いています。

生まれた時から、初めから害虫である人間なんて1人もいません。
美しく、可愛らしく、独特な魅力を放ってしまうサチ子。
彼女の無防備さや純粋さに、まるで引き寄せられるような悪循環。

彼女にいやらしい視線を投げかけ、近づく中年男性達。
彼女を守る事はおろか、サチ子の負担と化する弱い母親。
彼女をしつこいくらいに登校させようとする、偽善者の夏子。

これらから逃げる為に、懸命に自分の居場所を探したりもするけれど、それでも彼女を追い詰めるいやらしい大人達や偽善者。
だからサチ子は害虫化した。自分の身を守る為に。しかも無垢なままで。
無意識の鎧。それが害虫化することだったのです。
13歳という余りにも幼すぎる年齢、年齢と拮抗する程に成熟し過ぎてしまった内面。彼女を守ってくれない社会や法。本来ならば彼女を守るべきはずの唯一の母親や学校さえもが、彼女を攻撃する。
この状況で、彼女は自分を害虫化することでしか、自分自身を守る方法がなかったのだと思います。
更にこの”サチ子”という名前に「ウウッ・・・」て来てしまうんですよね。救いのない不幸な女の子に対し、サチ子という名前を付けたか!残酷さを助長しています。

13歳の少女の自己防衛の最終手段。なんか分かるような気がします。

この映画見ていると、私の母親の様子や両親からされた事とか、友達に裏切られて一瞬にして偽善者に見えた時とか・・・自分自身のいろんな傷や恐怖が思い起こされてくる時があります。
害虫になりうる可能性は私にもあった気がして、この映画を見ると自分が恐くなる時もあります。

「害虫化させた大人達や偽善者こそが害虫である」とも感じました。
あまり健康的ではないのかもしれませんね。でも今、やっと冷静に達観できるようになったからこそ見られる映画かな。

また、サチ子を見ていると「美しいということが害虫。罪の意識がないということが害虫。夢防備であるということが害虫」とも感じます。
ほんと・・・この映画って深いな・・・。

この時の宮崎あおいを知ってますか?

サチ子を演じた宮崎あおい。当時、確か15歳くらいかな。
笑顔の可愛らしい、あの”宮崎あおいスマイル”は全くありません。
あの年齢の!あの瞬間の!宮崎あおいにしか出せないものを塩田明彦監督は見事に残してくれました。

台詞は少ないし、表情も豊かではない、終始暗く無症状な宮崎あおい。でも彼女自身の内面の怒りや、あきらめや、苦しみや、闘争心が・・・もうこっちがぐちゃぐちゃになるくらい伝わってきます。
この年齢特有の不安感、孤独感、繊細さを見事に体現しています。

まるでビー玉のような繊細すぎる美しい強い目。果たして演技なのか、それとも当時の彼女そのものの姿だったのか・・・。
同時期、青山真治監督の映画『EUREKA ユリイカ』での宮崎あおいも素晴らしかったですね。

この2作品を見たら、宮崎あおいはやはり天才か・・・と思わざるを得ません。

映画『害虫』のまとめ

映画『害虫』は恐らくは見る人によって、感じ方も、心への残り方も、自分自身への影響の仕方も全然違うんだと思います。
私はサチ子に共感し、そんな自分に罪の意識を感じるところもありました。

害虫とは何か・・・是非ご覧になってみて下さいね。
それでは、今宵は、この辺で・・・ 🙂

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