こんにちわ、すずらんです。
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今日は映画『後妻業の女』の感想、考察です。
素晴らしい演技合戦の下に隠された、人間の業。
あなたは何を感じますか?
目次
映画『後妻業の女』
映画『後妻業の女』予告編はコチラ♪
映画『後妻業の女』のあらすじ
妻に先立たれた中瀬耕造(津川雅彦)は、婚活パーティーで年下の女性・小夜子(大竹しのぶ)と出会う。やがて病に倒れた耕造は他界し、後妻におさまった小夜子から公式証書遺言状を見せられた娘の中瀬朋美(尾野真千子)は、遺産は全て小夜子に渡り遺族には一切残らないと知らされる。父の死に疑念を抱く朋美は探偵の本多(永瀬正敏)を雇い、小夜子の身辺を調査するが……。
(シネマトゥデイより引用)
映画『後妻業の女』基本情報・キャスト・スタッフ
ジャンル:コメディー、ドラマ、ミステリー
製作国:日本
監督:鶴橋康夫
原作:黒川博行『後妻業』
脚本:鶴橋康夫
公開:2016年
上映時間:128分
PG-12作品
第40回モントリオール世界映画祭(2016年)にて上映。
映画『後妻業の女』出演者
武内小夜子:大竹しのぶ
柏木亨:豊川悦司
中瀬耕造:津川雅彦
中瀬朋美:尾野真千子
西木尚子:長谷川京子
三好繭美:水川あさみ
岸上博司:風間俊介
瀬川英子:余貴美子
武内香代:ミムラ
守屋達朗:松尾諭
山田孫六:笑福亭鶴光
杉村理紗:樋井明日香
元木日出夫:六平直政
津村泰治:森本レオ
武内宗治郎:伊武雅刀
樫本長次郎:泉谷しげる
桜田順:柄本明
舟山喜春:笑福亭鶴瓶
本多芳則:永瀬正敏
etc
映画『後妻業の女』の感想・考察
映画『後妻業の女』・・・これってー・・・
『マルサの女』とか『ミンボーの女』とか『スーパーの女』とか『マルタイの女』とか・・・
めちゃくちゃ伊丹十三監督を意識しているじゃないですか!
更に、音楽の使い方や雰囲気や何もかも・・・伊丹十三監督の映画に似ています。
こんなに真似しなくてもいいのになー。
でもまあ「それなりに面白い映画」でした 🙂
早速考察していきますね。
映画『後妻業の女』は俳優の芝居あってこそ
映画『後妻業の女』は”怪物女優”大竹しのぶをはじめ、あくが強い大物俳優が、ばんばんキャスティングされています。
豪華です!ズバリ!キャスティング勝ち映画なんです。
俳優の演技を楽しむ為だけに、映画『後妻業の女』を見てもいいくらい 🙂
中でも素晴らしかったのが、柏木亨演じた豊川悦司。
クズ人間の詐欺師の役で、次々と悪事を働くのですが、実はものすごく小心者。
良心もちょこちょこ顔を出しちゃったり、相手を威嚇しながらも内心は震えるくらいビビっていたり。
このキャラクターの隙の部分をいいあんばいで演じていてちょっとびっくり。クズ人間のいろんな面を、人間味溢れる演技で見せてくれます。
あれ~豊川悦司ってこんなにも演技が上手かったのか!?
そして、中瀬朋美演じた尾野真千子も素晴らしかったですね。
映画『後妻業の女』出演者を見ていただくと分かるかと思いますが、濃ゆい俳優ばっかりが出てくるんです。
その濃ゆい群れの中にあって、怪演に揉まれながらも、一本筋を通して中瀬朋美というキャラクターを的確に演じています。
そのことがかえって映画『後妻業の女』の中では際立ちましたし、とても好感が持てました。
そして、やっぱり尾野真千子は演技が上手い!
一方残念だったのが、岸上博司演じた風間俊介。
終始大声で怒鳴り散らしているだけでした。そういうキャラクターを狙っての演出なのでしょうけど・・・ちょっとキツかった。
クスッって笑える時もあったんですけど、あまりにも一本調子で途中から飽きてしまいました。
無理して演技しているような感じもしましたね。
風間俊介はドラマ『それでも、生きてゆく』は素晴らしかったんですけどね。
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ただ単に、キャラクターが本人に合っていないだけなのかもしれません。
ところで岸上博司はなぜいつも焦っていたのでしょう?なぜ?
分かる方いたら、教えて下さい 😉
映画『後妻業の女』の名シーンって・・・
映画『後妻業の女』は、まあどのシーンもそれなりに面白くって楽しめるのですが、
これ!っていう名シーンがないんですよね。
そのことが、「それなりに面白い映画」にしてしまったのかなあ。
映画ってやっぱり、
「もうあのシーンが忘れられないんだ!」とか
「あのシーンが好きて仕方ないんだ!」とか。
傑作映画にはいつもすごい名シーンがある気がしませんか 🙂
映画『後妻業の女』の中で強いて言えば、
焼肉屋での、武内小夜子演じる大竹しのぶと中瀬朋美演じる尾野真千子の、けんかのシーンでしょうか。
大竹しのぶは言うまでもなく凄まじい演技をしていますが、その大竹しのぶに本気でぶつかっている尾野真千子がいいです。
このけんかのシーンは撮影もよくって、長回しで、すごい迫力です。
是非注目してご覧になってみて下さいね。
私達の心にゆだねられたもの
映画『後妻業の女』は道徳からは大きく外れた、狂った人達、悪人達、怪物達を中心に映画が展開していきます。
悪というものをブラックコメディーとして描きながらも、
その感じ方については私達に問われているような気がします。
※以下ネタバレします。
映画『後妻業の女』の中にはこんな台詞がありました。
笑福亭鶴瓶演じる舟山喜春にだまされ、殴られた時、武内小夜子がこんな台詞を吐きます。
「ほんまに欲しいものには必ず逃げられる」
後妻業という悪業を重ねる女性の台詞。
お金を手に入れる為なら殺人さえもしてきた怪物のような女性が、本当に欲しものはお金ではなかったのか?
ドキっとしました。悪行の根底にある本当に欲しいものって・・・一体なんだろうって。
また、こんな台詞もありました。
被害者である長谷川京子演じる西木尚子が、後妻業の女についてこんな台詞を言います。
「今まで受け身ばかりで生きてきた私からしたら、全く正反対の生き方のあの人が羨ましくもあった。」
「人間って矛盾した生物だから。」
後妻業を肯定し、自分自身に重ねるような台詞。
この場面は長谷川京子の美しさもあって、印象的なシーンでした。
私達が悪人と見なしているものに、念を押すように深く問いかけた台詞。
シニア層の方が見るとまた感じ方も全然違うのかもしれません。
あなたは何を感じますか。
映画『後妻業の女』まとめ
映画『後妻業の女』の「業」とは
業種の業ではなく、
カルマの業(ごう)なんじゃないかなーって思います。
人間の業(ごう)が、行き着くところまで行ってしまった、人間達の映画。
豪華俳優陣による演技合戦!
是非ご覧になってみて下さいね。
それでは、今宵は、この辺で・・・ 🙂
映画『後妻業の女』おまけ
こんな漫画もあるみたいですね 😉