映画『ハッシュ!』感想や考察~それでも人と繋がっていたい!~

こんにちわ、すずらんです。

今日もブログをご覧いただきありがとうございます 🙂

今日は映画『ハッシュ!』感想考察です。

ズバリ!この映画こそが橋口監督の最高傑作!

家庭環境が何であれ、育ちがどうであれ、病んでようが何だろうが、それでも人は誰かと繋がっていたいのです。

映画『ハッシュ!』

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映画『ハッシュ!』のあらすじ

奔放なゲイライフを送るペットショップで働く直也、ゲイであることを周囲に悟られないように暮らしている土木研究所で働く勝裕。2丁目で出会い交際を始めたふたりの前に、ある日、歯科技工士をしている朝子と言う女が現れる。人と触れ合うことを諦め、愛の無いセックスを繰り返す日々を送っている彼女は、勝裕がゲイであることを知った上で、彼の子を妊娠したいと相談を持ちかけてきた。幼くして父親を亡くしていた勝裕は、自分が父親になれるかもしれないことに興味津々。一方、初めは激怒していた直也も彼女の真剣な態度に次第に理解を示し、やがて3人は子供を持つことに前向きに取り組んでいく。ところが、勝裕に想いを寄せる同僚のエミの密告でそれを知った勝裕の実家の嫂が、精神科に通院歴のある朝子の血を栗田家に入れる訳にはいかない、彼女は家族を、そして子育てを軽く考えていると猛反対し大騒ぎとなってしまう。しかし、その兄一家も兄の急死で敢えなく崩壊。こうして従来の家族の在り方の儚さを目の当たりにした3人は、新しい家族の可能性を探って新たな一歩を踏み出していくのであった。

(Movie Walkerより引用)

映画『ハッシュ!』基本情報・キャスト・スタッフ

ジャンル:青春、ドラマ、ヒューマンドラマ
製作国:日本
監督:橋口亮輔
原作:橋口亮輔
脚本:橋口亮輔
音楽:ボビー・マクファーリン
主題歌:「Hush Little Baby」 ボビー・マクファーリン、ヨーヨー・マ
公開:2001年

上映時間:135分

映画『ハッシュ!』出演者

栗田勝裕:田辺誠一
長谷直也:高橋和也
藤倉朝子:片岡礼子
長谷克美(直也の母):冨士眞奈美
栗田勝治(勝裕の兄):光石研
栗田容子(勝裕の義姉):秋野暢子
永田エミ:つぐみ
有朋:斉藤洋介
昌:佐藤直子
田所:深浦加奈子
朝子の父:寺田農
マコト:沢木哲
産婦人科医:岩松了
ユウジ:山中聡
広瀬:佐藤二朗
そば屋店員:加瀬亮
インストラクター:飯沼誠司
マスター:猪野学
ハスラーアキラ
etc

映画『ハッシュ!』受賞

キネマ旬報賞、主演女優賞:片岡礼子
ブルーリボン賞、主演女優賞:片岡礼子
報知映画賞、主演男優賞:田辺誠一
ヨコハマ映画祭、最優秀作品賞、最優秀監督賞、最優秀主演男優賞:田辺誠一
新藤兼人賞、金賞:橋口亮輔

映画『ハッシュ!』の感想・考察

『渚のシンドバッド』『ぐるりのこと。』『恋人たち』・・・
人間の心の奥底まで掘り下げ訴えかける、数々の名作を生み出してきた橋口監督。
その中でも映画『ハッシュ!』は私の中では橋口監督の最高傑作です!(今のところ)
邦画の中ではベスト10に入るかもしれません。
脚本、演出、編集、俳優‥全てが非の打ちどころもなく、素晴らしい 🙂
当時、映画『ハッシュ!』は映画賞を総なめにし大変話題にもなりました。

どれだけ映画『ハッシュ!』の素晴らしさが伝わるか分かりませんが、私なりにですが書いていきたいと思います。

家庭環境が影響する深刻さ

片岡礼子演じる藤倉朝子の孤独が生み出す壮絶な人生。メンヘラ、精神科通い、中絶2回・・・

彼女の自分に対する、人に対する、人生に対する、社会に対する、

怒り、失望、もしかして絶望、苦しみ、憎しみ、悲しみ、やるせなさ、さみしさ・・・

現代社会では何も珍しいことではありませんよね。

この作品では、育ってきた環境、幼少期の出来事、両親との関係、特に女性にとっての異性である父親の存在が、どれだけその後の人生に影響を与えるかについて、たとえ明確に描かれていなくとも切実に伝わってきます。

親からされたころ、親からかけられた言葉、
今起きている全ての物事には、過去に原因があるのだと思います。きっと。

後半、「小さい頃に一回でもいいから誰かに死ぬほど抱きしめられてたら、こんなふうにはなってなかったと思うんだよね。」という朝子の台詞があります。
全ての原因と結果について物語っている言葉です。

このシーンでの朝子を見た時、私はどうしようもなく誰かを抱きしめたくなりました。

映画『ハッシュ!』の中では、朝子の人生において過去に何があったのかは、具体的に描かれておりません。
ただ、寺田農演じる朝子の父親と言葉を交わすシーンが、唯一1つだけあります。
父親の娘に対しての冷酷な振る舞い。
まるで面倒くさい物を扱っているようにも見える、娘への接し方。
それに傷つくも、笑ってみせる娘の朝子。
たった1シーンで、親子関係がつぶさに見えてきます。見ていて心が痛い。

前に何かのTV番組で、タレントの”KABAちゃん”のドキュメンタリーを見たことがあります。
性別適合手術を行い、久しぶりに実家に報告をしに行った時の様子を放送していました。
勇気を出して手術を行い、心を決めて実家に挨拶に行ったKABAちゃん。
彼女を迎えた家族の態度は、見ていて心が張り裂けそうな位、残酷なものでした。
たとえ表面的な言葉で、少々の優しい言葉をかけていたとしても、
顔つき、目つき、態度の冷たさは明らかでした。
自分の思い通りに育たなかったら、親の思う子供像にならなかったから、
まるで自分とは関係ない他人のように扱い、手のひらをかえすのか。
KABAちゃんの人生がどう影響してきたのか、
何故苦しみを作ってきたのか。分かった気がします。

自分ではどうしようもないことなのかもしれない。
幼少期の過去の記憶は書きかえることもできない、忘れることもできない。
自分に責任はない部分なのかもしれない。

しかし朝子は、このあきらめかけた自分の人生に立ち向かっていきます。自分の力で。
それでも、何があっても、誰かと魂で繋がっていたい。執念ともいえる大きな力。

これが人というものの真実、人間の正体なんじゃないかな。
朝子って強い。人間ってもっともっと自分が思うより強い。

朝子を見事に演じ切った片岡玲子。凄い女優さんなのだと思います。

この女優さん、ここ最近再びスクリーンでちらほら見かけるようになりましたね。
私はまたいつか、彼女の強い強い演技を見たいです 🙂

捨てカットが何1つとしてない

俳優の演技や、撮り方、編集、音楽・・・
ついつい粗捜しをしてしまう、ひねくれ者の私ではありますが、上映時間135分という少々長い尺にも関わらず・・・

映画『ハッシュ!』は捨てカットというのが1つもないんです!

そして、全ての必要でかつ素晴らしいシーンの数々は、軽快な音楽とちょっぴりコメディ要素が足された演出と演技でもって、更に価値を高めたものになってます。

見ていて目を避けたい程に心が痛い、もしかしたら現実に隣にいたならば避けてしまうかもしれない人々を、愛おしく、可愛らしく、身近にいる友達のように感じさせてくれます。
これが、橋口監督作品の魅力の一つかもしれないですね。

きっと、橋口監督という方はとてつもなく優しい方で、傷ついて傷ついてもなお、一人一人の人間と深く向きあおうとしてきた人なのかなと思います。

映画『ハッシュ!』のまとめ

「映画『ハッシュ!』は是非映画館で!」と言いたいところですが、昔の映画ですし、
この作品については、何度も巻き戻したりしながら、じっくり1つ1つのシーンを味わうのもいいかもしれません。
個人的には、動画やDVDなどで十分この映画の魅力は伝わるんじゃないかと思います。

親を大切にすることや親孝行が暗黙の美徳とされる中で、
そうしたくてもそうできない人達がたくさんいます。

朝子ってKYな人、面倒くさい人って思うかもしれません。実際そうなのだと思います。
でも、一生懸命人と繋がろうとする彼女を見て下さい。
孤独と戦う姿に、希望を見出すことができるはずです。

今回はついつい朝子のことばかり書いてしまいましたが、
いつか映画『ハッシュ!』の他の登場人物やお気に入りシーンについても考察してみたいと思います。

それでは、今宵は、この辺で・・・ 🙂

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