映画『空(カラ)の味』感想や考察~大丈夫誰にでも起こりうること~

こんにちわ、すずらんです。

今日もブログをご覧いただきありがとうございます 🙂
今日は映画『空(カラ)の味』感想考察です。

女性ならば一度は感じたことのあるこの感覚、この味。

誰も悪くなんかないし、何も悪くなんかない。そこには罪はない。

「でもね、大丈夫なんだよ」

映画『空(カラ)の味』

映画『空(カラ)の味』の予告編はコチラ♪
http://youtu.be/EEWffn_qQ9Y

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映画『空(カラ)の味』のあらすじ

高校生の聡子(堀春菜)は、家族や友人に囲まれ充実した日々を送っていたが、いつしか自身が摂食障害に陥っていることに気付く。理由もわからぬまま、周囲に相談することもできず、追い詰められていく。そんなときに出会ったマキ(林田沙希絵)との交流を通じて、不安にさいなまれる心が解きほぐされていくが……。

(シネマトゥデイより引用)

映画『空(カラ)の味』基本情報・キャスト・スタッフ

ジャンル:ドラマ、ヒューマンドラマ
製作国:日本
監督:塚田万理奈
脚本:塚田万理奈
製作:2016年
音楽協力:国立音楽大学、ガムラン研究会ChandraMetu

上映時間:125分

出演者

聡子:堀春菜
けいた:松井薫平
慶子:南久松真奈
信忠:井上智之
木村:イワゴウサトシ
優子:柴田瑠歌
静恵:松本恭子
かなえ:笠松七海
マキ:林田沙希絵
etc

受賞
第10回 田辺・弁慶映画祭、コンペティション部門
弁慶グランプリ:「空(カラ)の味」
映検審査員賞:「空(カラ)の味」
市民賞:「空(カラ)の味」
女優賞:堀春菜

映画『空(カラ)の味』の感想・考察

映画『空(カラ)の味』は田辺・弁慶映画祭にて、なんと!史上初の4冠に輝いた作品です!
女性ならば誰しも一度は挑んだことのあるダイエット、「痩せたい、綺麗になりたい」という欲。
女性ならば逃れることのできない欲がもたらす苦しみを、映画『空(カラ)の味』は普遍的なものとして描いています。

最初はちょっとウウッとくるかも

映画『空(カラ)の味』は全編を通して、映像が非常に暗いです。
人の心の影の部分を、生々しく、そして淡々とあぶり出していきます。
決して目を覆いたくなるほどの、何か残酷な映像が映し出されるわけではありません。
しかし、内容がかなりリアリティに溢れ、ディープです。

もしかして、人によっては最初ウウッとくるかもしれません。

私は少々気分が悪くなってしまいました。
自分自身の何か影の部分と、重ね合わせて見ざるを得ない作品だからです。

誰しも陥る普遍的な悪循環

女性であれば(もしかして男性の皆さんも?)一度は経験したことのある、

「痩せたい!綺麗になりたい!(かっこよくなりたい!)」
そして、「よしダイエットしよう!減量してみよう!」
でも、「減らない!何故!もっと頑張らないといけない!」
更に「私はダメなんだ!どうしたらいいかもう分からない!」
「痩せたい!」からいつの間にか「痩せないといけない!」へと、

心の中が苦しみへと変貌していく。
いつの間にか、この悪のループへズボズボとはまり込んでいく様を、
この作品は本当に見事に描いています。

そして、悪循環に陥ることは、とっても普遍的なもの、
として表現してところが、この作品の核の部分ではないかなと思ってます。

映画『空(カラ)の味』では、学校でいじめられているわけでもない、家庭崩壊が起きているわけでもない、
どこにでもある、ごく平凡な環境に育つ1人の女子高校性が、摂食障害で命を脅かすほどに苦しみます。

私も昔、似たようなことがありました。
周り恵まれ、特にこれといった深刻な悩みも抱えていなかった環境下において、私は「痩せたい。痩せなければいけない。」
と思えば思うほどに、その思いから抜け出すことができず、一日中ダイエットのことばかりに囚われ、他のことが全く手につかなくなる時期がありました。
もしや、何のためのダイエットなのか分からない状態。
今思うと、あの時はダイエットの為のダイエットをしていたのだなあと。

吐いてしまう摂食障害とまではいきませんでしたが、一日にもういいってくらい体重計に何度も乗り、グラム単位で体重が増えただけで冷や汗が吹き出したり、友達からいただいたパンを、家に帰った瞬間、一斤まるごとドカ食いしてしまったり、何か嫌なことがあったりストレスを抱えると、まるで反射神経のようにチョコレートを食べ続けたり、

そして気分が落ち着くと、毎回毎回に自己嫌悪に陥り、その繰り返しでした。
今思うと、自分が恐ろしい、そして恥ずかしい・・・。
今や笑って話せますが、当時の私にとっては毎日をおびやかすほど苦しみました。

家族や友達や周りの人達には知られたくない部分ですから、とことん隠す部分であると思います。
日常会話で「摂食障害なの?」「そうそう私も摂食障害で大変なの~」なんて、ないですよね。
その為、「もしかしたら自分だけこんなに苦しいの?自分は人と比べてこんなにもだめなの?」
と自分自身を責め、劣等感に苛まれることもあると思います。

しかし映画『空(カラ)の味』は、
「大丈夫。こういうことはみんな誰しもあること。どんな環境であって起こりうること。
あなたが何か特別なわけではない。あなたは決して悪いわけではない。誰かが悪いわけでもない。
ただちょっとした心のズレや掛け違いだけなんだよ。生きていいんだよ。」
と安心感を与えてくれます。優しく優しく包み込んでくれます。
こんなに優しい映画って稀じゃないかな。

苦しみから抜け出せるよってことや、希望や救いというものを明確に指し示している作品ではありません。
主人公の聡子が、この後どういう人生を歩むかも分かりません。
そういう綺麗事は一切ない映画です。
「救いたい。」という美しい思い自体が、時と場合によってはエゴであるということなのかもしれません。

そういった苦しみや葛藤が普遍的であるということを語りかけることが、癒しなのだと思います。

その人の傍に寄り添って包み込んであげる。ただただ話を聞いてあげる。
ただそれだけで、その人の悩みや苦しみの何割かは解決に向かっているのかもしれません。
何とかしようとしなくていい、励まさなくていい、救おうとしなくていい。
ただただ一緒にいるだけでいいのかもしれませんよね。

ごめんねと言い続ける女性

映画『空(カラ)の味』に登場する人物は皆、優しくて、暖かくて、繊細で、思いやりに溢れた人達ばかりでした。
故に、どうしても自分で抱え込んでしまう。

印象的だったのが、堀春菜演じる聡子の、「ごめんなさい」という台詞。

彼女自身をまるで象徴するかのように。
何度も何度も繰り返されます。映画『空(カラ)の味』の中で何度も何度もこの言葉を彼女は吐きます。
こんな時ってもう「ごめんなさい」しか出てこないんですよね。他の言葉はとても言えない。
誰かのせいでもなく、もちろん自分のせいでもないのに。
優しい人、真面目な人ほど陥りやすいループが生み出す、痛々しい言葉。
「ごめんなさい」という言葉は、時に「助けて下さい」ということなのかもしれません。

印象的なラスト

映画『空(カラ)の味』は、突如不思議なラストシーン迎えます。
作り手の方々の暖かい思いや、観客達の応援する思いが、聡子の心の中に混ざり合って、どこかに昇華していくような映像。
具体的に明るい未来を描いているわけではないですが、まるで自分の願いが彼女に届いたかのような、美しいラストシーンです。

映画『空(カラ)の味』のまとめ

映画『空(カラ)の味』の監督・脚本をつとめあげたのが、若き才能、塚田万理奈さん
彼女自身が摂食障害で悩んだ経験を持ち、人生を投影させた映画だそうです。
自主制作という形で作られ、じわじわと拡がりを見せる映画『空(カラ)の味』。

これからも、どこまでも、人々の心に影響を与えていくことと思います 🙂

それでは、今宵は、この辺で・・・ 🙂

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