こんにちわ、すずらんです。
今日もブログをご覧いただきありがとうございます 🙂
今日は映画『罪の手ざわり』の感想・考察です。
罪と暴力は、手でさわれる程に、こんなにも近くに在るのか!?
目次
映画『罪の手ざわり』
(原題『天注定』、英題『A TOUCH OF SIN』)
映画『罪の手ざわり』の予告編はコチラ♪
映画『罪の手ざわり』あらすじ
重慶で家族への仕送りを続ける若き父チョウ(ワン・バオキアン)は、妻と子には出稼ぎだと偽って強盗を繰り返していた……。会社の汚職により14年間、利益を吸い上げられてきた山西省の炭鉱夫ダーハイ(チアン・ウー)は、その怒りを抑えることができず……。叶わぬ恋を続け、寄る辺ないまま歳を重ねてきた湖北省の女・シャオユー(チャオ・タオ)は、しつこく迫る客に我慢できず切りつける……。“何か”を手に入れたくて、職を転々とする広東省の若者・シャオホイ(ルオ・ランシャン)は、ナイトクラブのダンサーとの恋に苦悩する……。
(Movie Walkerより引用)
映画『罪の手ざわり』基本情報・キャスト・スタッフ
ジャンル:ドラマ
製作国:中国、日本
監督:ジャ・ジャンクー
製作総指揮:ジャ・ジャンクー、森昌行、レン・チュンルン
脚本:ジャ・ジャンクー
音楽:リン・チャン
日本:2015年(中国では未公開)
上映時間:129分
R15指定作品
映画『罪の手ざわり』出演者
炭鉱作業員ダーハイ:チアン・ウー
強盗チョウ:ワン・バオチャン
風俗サウナの受付シャオユー:チャオ・タオ
広東省の青年シャオホイ:ルオ・ランシャン
etc
受賞
2013年にカンヌ国際映画祭コンペティション部門:脚本賞受賞
キネマ旬報2013年外国映画ベストテン:3位
映画『罪の手ざわり』感想・考察
公開当時、確か、私の大好きなTOKYO MXの情報バラエティTV番組『5時に夢中!』 🙂 で紹介されいて、飛んで見に行った作品です。
期待通りの凄まじい中国映画でした。
罪と暴力の身近さ
この作品は、罪と暴力というものに対し、徹底的に向かい合い、目を背けたくなる部分まで、繊細にとことん映し出し、様々な種類の罪と暴力について、オムニバス形式で描かれています。
罪と暴力はこんなにもあるものかと、その多様さに正直衝撃を受けましたが、何よりも、
これらの罪と暴力というものが、あまりに身近であるということを、
とことん思い知らされました。
私にも、私達にも起こりうる日常的なものであるという逃れられない現実。
ほんの僅かな、物理的・心理的なかけ違いによって、
一瞬にして、あっという間に罪へと暴力へと変貌してしまう。
タイトルの中にもある「手ざわり」という言葉。
この言葉こそが、まさに作品のテーマです。
罪そして暴力というものは、手で触れてしまうことができるほどに寄り添っているのだと、
切に訴えている映画です。
今現代の日本で飛び交う「貧困」、「格差」、「勝ち組、負け組」などというワード。
この作品は、中国社会が生み出した、罪と暴力を描いている作品ではありますが、正直、他人事とは思えませんでした。
こうして穏やかに生きている私達もまた、今この瞬間、世界の何処かに向けて、何らかの罪や暴力を生み出しているのかもしれません。
弱者が絶望が生む悲劇性
この作品は、中国社会において抑圧された人達、被害者達が、それを受け入れず、屈することなく、立ち上がり戦う映画であると、私は思います。
しかし、戦いといっても、この作品でいう戦いは、罪や暴力という形によってもたらされます。
悲しいことに。
更に、広東省の青年シャオホイの物語では、
外へ向けての暴力ではなく、内に向けての暴力が描かれています。
弱者の絶望が向かう悲劇性を見事に描いています。
見ていて大変辛いかもしれません。
でもここから必ず、それぞれに何かを得ることができる、何かを知ることができる、と私は思います。
少し話は変わりますが、最近、TVで流れている「ミサイル避難CM広告」。
「見た人に恐怖を植え付けるだけだ!」と非難している人がいました。
でも、知らないということは、時に罪を生むのではないでしょうか。
都度感情的なることなく、騒ぎ立てることもなく、冷静に、そういうことがあるかもしれないという危惧を持つということは、今の時代とても大切なことなんじゃないかなと、私は思います。
ちょっとやり過ぎな映画描写
描かれている内容について、とってもおすすめしてしまいましたが 😳
実際、作品の描写はかなり過激であり(R-15)、
「ちょっといくらなんでもやりすぎやしないか!」
と正直違和感を感じました。
更に、「ん?今のカットは一体なんだったんだ!」と疑問を抱いてしまう不思議なカットが何か所かあって、ちょっと集中力をかいてしまうかもしれません。
しかし、これだけの作品を撮った監督なだけに、
それぞれに、きっと何らか意図があるのだと思います。
やり過ぎー!そして、意味が分からないー!突っ込みながら見ていたのは、
もしかして私だけでしょうか? 😳
映画『罪の手ざわり』まとめ
この映画で描かれている4つのストーリーは、実話をもとにして作られたそうです。
そして、
中国映画であるにも関わらす、中国では未公開です。
この事実がまさに映画『罪の手ざわり』が伝えたいことをを物語っております。
内容が内容なだけに、覚悟を持って冷静に見ることをおすすめします。
「そんなことできるかー!」と反論されてしまいそうですが 😳
それでは、今宵は、この辺で・・・ 🙂
コメント
はじめまして。
私も「罪の手ざわり」鑑賞致しました。
どうしようもない憤りを感じて、罪を犯してしまった悲しみが詰まった作品だと感じました。
でも、受付嬢の方の暴力シーン、私はやりすぎと言うか少し笑ってしまいました。
カンフーみたいに切るし、何度はたかれても一瞬で顔戻すし。
あなたが言うように、何か意味があるのでしょうが、負けない女としてのプライドとかでしょうか…。でも正直よく分からなかったです。
すずらんさんはどう思いましたか?
ゆきさん♪
コメントありがとうございます。
怒り、悲しみ、多くのものが詰まった映画だと思います。
笑ってしまう。確かに、観る方によってそうかもしれないですよね。
観客へより印象付けるために、敢えて違和感を感じるように意図して創っているのだと思います。明らかにリアルな描き方ではなく。
暴力をより際立たせるためなのでしょうか・・・?
日本だと「トリック」とか「ケイゾク」とかもそんな気がします。意図していることは違うかもしれませんが