こんにちわ、すずらんです。
今日もブログをご覧いただきありがとうございます 🙂
今日は映画『Wの悲劇』の感想、考察です。
人生において、逃れたくても絶対逃れる事のできないもの、
業(カルマ)。
私も勿論その一人でして、日々もがいているわけですが(^^;
カルマに翻弄された人、見守った人、この手で支配しようとした人。
『Wの悲劇』で一気に3人分偽体験してみませんか?ふふふ・・・
目次
映画『Wの悲劇』
映画『Wの悲劇』の予告編はコチラ♪
映画『Wの悲劇』のあらすじ
劇団「海」の研究生である、20歳の三田静香(薬師丸ひろ子)。
劇団の舞台「Wの悲劇」のオーディションを受けますが、主役の座を射止めることはできず、台詞が一言しかない役と裏方を任されます。
そんな静香に一目ぼれしてしまった、森口昭夫(世良公則)。
昭夫は元劇団員でしたが、芝居の道をあきらめ、不動産屋に勤めていました。
舞台の幕が上がった初日、大女優の羽鳥翔(三田佳子)に、声をかけられる静香。
その夜、とんでもない大事件に巻き込まれてしまう静香。
しかし静香は、その危険なチャンスを引き受け、のし上がっていくのでした。
映画『Wの悲劇』基本情報・キャスト・スタッフ
ジャンル:サスペンス、ミステリー
製作国:日本
監督:澤井信一郎
原作:夏樹静子
脚本:荒井晴彦、澤井信一郎
公開:1984年
上映時間:108分
映画『Wの悲劇』出演者
三田静香:薬師丸ひろ子
森口昭夫:世良公則
羽鳥翔:三田佳子
三田村邦彦
仲谷昇
蜷川幸雄
高木美保
etc
映画『Wの悲劇』の感想・考察
団塊世代が競争社会の中で闘い、そして親となり、団塊ジュニア達を育てていた、あの1980年代に作られた映画、『Wの悲劇』。
今現代の、不透明とも言えるこの複雑な時代において、三者三様の人生は、私達に何をもたらすのでしょうか?
映画『Wの悲劇』のメインキャストの3人の人生を、私なりに、ちょっぴりネタバレも含め、生意気ながらも考察していきたいと思います。
※以下少しネタバレあります。
新進女優、三田静香の人生
薬師丸ひろ子演じる、新進女優、三田静香の人生。
一言で言うならば、カルマに翻弄された人生と言えるでしょう。
一見すると自信がなさそうにも見え、謙虚でおとなしそうな女優、静香ですが、本性は真逆の性質を持っています。
裏ではガツガツし、したたかです。静かなのし上がり根性とでもいうのでしょうか。
女優になる為ならどんなことでもするという、執着にみなぎった人です。
本物の女優になる為に・・・恋していない先輩俳優と初体験をする・・・。
主役の座を奪いとる為に・・・大女優のスキャンダルをかぶる・・・。
可憐な薬師丸ひろ子が演じることにより、このドロドロしたキャラクターが、魅力的にも人間的にも見えてしまいますが、ちょっと常軌を逸していて、ついていけないですよね。
しかし、実は誰でも持っている”カルマ・業”。
どんな人であっても、人間であればあろう”カルマ・業”。
カルマが無意識下で動かす恐ろしい力。
露呈し、翻弄されてしまったその時、人はどういう人生を辿り、行きつく先は何処なのか、見事に表現したキャラクターです。
そしてラスト、どん底に落ち、初めて自分のカルマを認め、受け入れ、対峙し、再出発しようとする彼女はとても強く美しいです。
ラストシーンあってこそのこの映画です。
カルマに翻弄された彼女の人生をあなたはどう見ますか?
元劇団員、森口昭夫の人生
世良公則演じる、自由人、森口昭夫の人生ですが、「まあ、とっても良い男」
と感じる女性も結構いるのではないでしょうか?
(是非あなたの目でご覧下さいね。)
まるで風のような人生です。
自分自身を解放させているからこその自由を、若干26歳にして、既に手に入れてしまっている人生。
彼は、いい加減さをほのめかすそぶりをしながらも、実は実直であり、かつ心が豊かであり、思いのまま行動できる勇気に溢れています。
”カルマ・業”を乗り越え、執着というものを、既に一旦捨てた人だからこそのものでしょう。
捨てるということやあきらめるということは、ネガティブな意味で捉えられる事も多いですね。
しかし、断捨離、手放すといった思想にもあるように、ここまで人間を力強くし、魅力的にさせるものなのだと感じました。
「恐怖なんてものは幻だ、愛する人の為ならなんだってできる。命も惜しくない。」
好きな人を庇い刺され、更にその彼女が離れてしまったとしても、
昭夫は、彼女を次の人生へと暖かく送り出すことができる。
私達はここまで、この領域まで、辿り着くことはできるのでしょうか。
羽鳥翔(三田佳子)の人生
三田佳子演じる、大女優、羽鳥翔の人生ですが、一見すると華やかであり、誰もが憧れる、幸せに満ち溢れた人生を歩んでいるように見えますが、底知れず深い孤独を、長年に渡って抱え続けている人生です。
心が不安定であり、日常的に何かにおびえている。
繊細で傷つきやすい性質なんですね、しかも誰一人彼女の苦しみを知らない。
彼女は、果たしてどうやって、この大変な人生を生き進めることができたのでしょうか?
唯一彼女が、人生を渡っていくために武器にしていたものとは、賢さと、冷静さと、計算高さだったのではないかと、私は思います。
恐怖から身を守る為ゆえの武器です。
彼女はパトロンの男性が自分のホテルの部屋で死んだ時、
静香にスキャンダルの身代わりになるよう頼みます。主役の座を与えることと引き換えに。
とんでもない思考と行動ですが、この合理的ともいえる能力が、彼女の人生をギリギリ守ったのだと思います。
しかし、不幸な人です。可愛そうな人です。弱い人です。
人の上に位置する者、成功者とあがめられるような人の中に、深くのしかかる苦しみなのかもしれません。
私の知らない地位の世界ですが、ただただ知るということが大切なのかもしれません。
そういう眼差しで持って、様々な人達の人生を眺めてみたいと思います。
この大女優の役を、映画『Wの悲劇』の世界の中で執念で体現する大女優の三田佳子は、やはり凄まじい人です。
映画『Wの悲劇』まとめ
映画『Wの悲劇』の中のあちらこちらに散りばめられている、
野心というもの。執着というもの。
否定も肯定もせず、時には純粋にも映る、確かに在るぞと認めざるをえない、人間の感情。
多かれ少なかれ、この作品にあるような極端さはないにしても、集団の中のいす取りゲームがなくならない限り、恐らくは、どの社会でも存在するものなのでしょう。
この感情が故に、たとえ人生がどうなっても、どん底に落ちたとしても、そこから再出発した人達の未来はどう開けていくのでしょうか?
映画『Wの悲劇』で生きづく3人、
カルマに翻弄された人、見守った人、この手で支配しようとした人。
この3人の人生から、あなたは何を学びますか?
あなたには彼らの芝生が何色にうつりますか?
それでは、今宵は、この辺で・・・ 🙂