映画『ゆれる』感想や考察~「いい人」の開放と再生~

こんにちわ、すずらんです。

今日もブログをご覧いただきありがとうございます 😛

今日は映画『ゆれる』感想考察です。

「いい人」の心の闇と憎しみ。でもそれって苦しみ。そこからの開放と再生にエールを送りたい!

映画『ゆれる』

映画『ゆれる』の予告編はコチラ♪

スポンサーリンク
投稿本文(h2)

映画『ゆれる』あらすじ

東京で写真家として成功した早川猛(オダギリ ジョー)は、母の一周忌で久しぶりに帰郷する。母の葬儀にも立ち会わず、父・勇(伊武雅刀)とも折り合いの悪い猛だが、温厚な兄の稔(香川照之)はそんな弟を気遣う。稔は父とガソリンスタンドを経営しており、兄弟の幼なじみの智恵子(真木よう子)もそこで働いていた。智恵子と再会した猛は、その晩、彼女と関係を持つ。翌日、兄弟と智恵子は近くにある渓谷へ向かい、稔のいないところで智恵子は、猛と一緒に東京へ行くと言い出す。智恵子の思いを受け止めかね、はぐらかそうとする猛だが、猛を追いかけて智恵子は吊り橋を渡る。河原の草花にカメラを向けていた猛が顔を上げると、吊り橋の上で稔と智恵子が揉み合っていた。そして智恵子は渓流へ落下する。捜査の末に事故死と決着がついたが、ある日、理不尽な客に逆上した稔は暴力をはたらき、連行された警察署で自分が智恵子を突き落としたと告白する。猛は東京で弁護士をしている伯父・修に弁護を依頼するが、公判を重ねるにつれ、稔はこれまでとは違う一面を見せていく。稔は、智恵子の死に罪悪感を抱いていたために「自分が殺した」と口走ってしまったと主張。その態度は裁判官の心証をよくし、公判は稔にとって有利に進む。しかし、稔が朴訥に語る事件のあらましは猛の記憶とは微妙に違っていた。猛は面会室で稔に、高所恐怖症にもかかわらず、どうして吊り橋を渡ったのかと兄に問う。稔は「お前は自分が人殺しの弟になるのが嫌なだけだよ」と答える。後日、証人として証言台に立った猛は、稔が智恵子を突き落としたと証言する。7年後、スタンドの従業員・洋平が猛の元を訪れ、明日、稔が出所することを伝える。その晩、昔、父が撮影した8ミリ映写機とテープを見つけた稔は、テープに残された幼い頃の兄と自分を観る。猛の目に涙があふれる。明け方、猛は車を走らせ兄を迎えに行き、歩道を歩く稔の姿を見つけ「家に帰ろう」と叫ぶ。稔は猛の姿を認め、微笑む。

(Movie Walkerより引用)

映画『ゆれる』基本情報・キャスト・スタッフ

ジャンル:ドラマ、ミステリー、サスペンス

製作国:日本

監督:西川美和

脚本:西川美和

音楽:カリフラワーズ

公開:2006年

上映時間:119分

映画『ゆれる』出演者

早川猛:オダギリジョー

早川稔:香川照之

早川勇:伊武雅刀

岡島洋平:新井浩文

川端智恵子:真木よう子

丸尾明人検察官:木村祐一

船木警部補:ピエール瀧

裁判官:田口トモロヲ

早川修弁護士:蟹江敬三

etc

映画『ゆれる』受賞

第59回カンヌ国際映画祭監督週間:正式出品

第80回キネマ旬報ベスト・テン(2006年)

日本映画ベスト・テン:第2位

助演男優賞:香川照之、受賞

脚本賞:西川美和、受賞

第49回ブルーリボン賞

監督賞:西川美和、受賞

助演男優賞:香川照之、受賞

第30回日本アカデミー賞

優秀主演男優賞:オダギリジョー、受賞

優秀助演男優賞:香川照之、受賞

他多数受賞、ノミネート。

映画『ゆれる』の感想・考察

監督2作目にして、映画『ゆれる』という、とてつもなく恐ろしい映画を撮ってしまった西川美和

公開当時、国内にとどまらず国外においても大変話題になりました。

映画『ゆれる』は曖昧な要素がとても多い映画です。肝心なところをあえて明確にせず、完全に観客にゆだねる。

特に物議を醸し出したのが、早川稔は果たして智恵子を突き落として殺したのか否かということ。

鑑賞した当時は、数日間ずっと、「なんとかして映画『ゆれる』を明らかにしていこう!」と・・・うんうん囚われていました。

でも10年以上経った今、映画『ゆれる』には「これはこうだ!」となんとか解釈をして、自分を納得させすっきりさせようとする以上に、大切な何かが詰まっているような気がします。

何があったのか、事実は何だったのかということは、実は映画『ゆれる』においてはさほど重要なのではなく、事件をきっかけに、開放され真の人生を歩んでいく、2人の人間の姿を感じることが大切なのかなと思うようになりました。

あまりにも違い過ぎるものを得て、生まれてきてしまった兄と弟。その兄弟間の葛藤と、そこからの再生と前進を強烈に描いているんだと思います。

なので今、自分が感じることを素直に考察してみたいなと思います 🙂

早川稔の開放、そして再生

香川照之演じる兄の早川稔。

弟に比べ、容姿も悪く、要領も悪く、不器用な稔。

一方、努力家で、家族を大切にし、優しく真面目で誠実で温厚な稔。

しかし、この素晴らしい内面の発信源は、弟の猛に対する強烈な劣等感なんですよね。悲しいけれども・・・。

勿論、彼本来の良心や優しさはあるとは思いますが・・・人に嫌われない為に、人に気を使う、優しく接する。稔よりも幸せになりたいから、温厚な自分を演出する。

その行為自体が過剰であり、無理や我慢がストレスで心がぱんぱんに膨れ上がり、彼をどんどん追い詰め苦しくさせたのだと思います。

劣等感が彼の人生を不自由にしていた日常というものが、稔にとって最も苦しいものだったのでしょう。

そして、その努力さえも報われず、好きだった女性はいとも簡単に弟にかすめとられ、自分は生理的に拒否される。そして彼女は、自分の目の前で吊り橋から落ちて死んでしまう。

稔が突き落としたのか否かは分かりませんが、突き落としたのだと告白し、留置場に入ります。

出来事だけ追うと、悪い方へ悪い方へと向かっているように見えますよね。

この後、稔の本性が剥き出しになり、次々と「いい人」のばけの皮がはがれていき、変貌していきます。

私の目には、この様が一種の開放のように見えたんです!

今までの努力や優しさは、稔にとっての偽物であった。本当は怒りや劣等感や恐怖でぐちゃぐちゃになっていた

それらが露わになり、稔自身もそのことをがっちり認識し、対峙し、そして解き放っていく。

これって、実はすごく幸せなことなんじゃないかなって。

映画『ゆれる』は後半、早川稔はよく笑うんですよね。それが不気味に映る時もあるのですが、本当の自分が出せた、開放の喜びのようにも見えるんです。

やっと稔は自分自身の人生を愛し、そして楽しむようになったんじゃないかなって。

私にも姉がいます。私達もかなり違う姉妹であるが故に、様々な葛藤がありました。

お互いの違いを比べるきっかけになるのって、当の本人同士ではなく、両親の厳しい一言だったり、周りの親戚の心ない一言でした。

その一言に傷つき、劣等感をいだいてしまう。でもそこから何を学び、どう歩んでいくかは本人達に託されていると思います。

と同時に、お互いの違いを認め合うことができるような、暖かい言葉をかけられる大人でありたいなと思います。

稔の2つの名シーン

早川稔のシーンはどれも素晴らしいのですが、特に素晴らしいシーンが2つあります。

まず、勝手にランキング『香川照之ベスト5!』すごい演技で魅せる映画とドラマでも少し書きましたが、猛との留置場での面会のシーン。

あの凄まじい状況や、おかしくなってしまった自分の状態さえも、実は稔自身は楽しんでいる!?その姿に度肝を抜かれます。だからこその名シーンになったのだと思います!

そして、ラストシーン。

刑期を終え、バスに乗り込む瞬間、弟の猛に「兄ちゃん!一緒に家に帰ろう!」と呼びとめられる。

この時に見せた稔の笑顔には号泣でした。弟に対する愛情が全て詰まっていた笑顔でした。

これらの深い芝居を、隅々に渡って見せてくれた香川照之。やはり名優です。

この後は描かれておりませんが、稔はきっとバスに乗り、弟とは別々の人生を歩むことを選んだのだと思います。

第2の人生というより、本当の自分の人生を歩み始めた稔

ここから、彼の真の優しさや暖かさが溢れていくであろうと信じたいです。

映画『ゆれる』まとめ

10年前みた時は、まあ凄い映画だなとは思いましたが、「分からないー!」とか、「早川稔が不気味で恐いー!」とかそんな感じだった気がするんですよね。

でも今、映画『ゆれる』を再度鑑賞することで、観客にゆだねられている部分に、私なりにちょっと近づけたんじゃないかなと思います。

見れば見るほどに、大切な何かを問いかけてくれる映画『ゆれる』。

「自分の本当の人生って何だろう」とか、「自分の人生を本当に愛してみようかな」とか、考えるきっかけになるかもしれません。

是非ご覧になってみて下さいね。

今回は早川稔の人生について考察しまくってしまいまして 😳 弟の早川猛の人生についてはまた後日、じっくりと考察したいと思います。

それでは、今宵は、この辺で・・・ 🙂

ブログランキング

ブログランキング参加中です。応援していただけると励みになります♪

人気ブログランキング
にほんブログ村 映画ブログへ
にほんブログ村

スポンサーリンク
投稿本文(h2)
投稿本文(h2)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする